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【単なるクロス集計を補強した結果が見える、共起性ランキング分析とは】
2021.10.08
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共起性ランキング分析は、統計的検定を活用してクロス集計表における表側項目と表頭項目の相性の良さ(共起性)をランキングする分析です。
ランキングする際の尺度は標準化残差(Z値)を用いています。Z値は、全体集合における比率と任意の表側項目における比率の差を共通の尺度に変換し、表側項目(比較対象)と表頭項目(比較項目)の相性の良さを正確に比べられるようにしたものです。
『意味は差異に宿る』と言われますが、文字通りポイント(表側項目における%-全体集合における%)に着目して、表側項目と表頭項目の意味(相応な関係)を可視化した尺度です。
プラスに高いほど共起性が強く(相性がよく)、マイナスに低いほど反共起性が強い(相性がよくない)ことを意味します。基準としては95%信頼性の場合は±1.96、99%信頼性の場合は±2.58が相当します。
反共起性が強い(相性がよくない)ことを意味します。基準としては95%信頼性の場合は±1.96、99%信頼性の場合は±2.58が相当します。
用途としては、対象らしさのランキングや対象リフトアップ要因の抽出に役立ちます。プラスの「らしさ」を強みと解釈すれば、各対象の特長を活かせる場面がひと目で分かる、「相応ポジション俯瞰マップ」を作成できます。インプットと主なアウトプットイメージは下記のとおりです。
主なアウトプットイメージ(その1)
主なアウトプットイメージ(その2)
主なアウトプットイメージ (その3)
赤い太枠で囲まれた部分は、統計的検定および共起性ランキング分析から有力項目と判断した 「比較項目4」、「比較項目5」、「比較項目7」 の3大共起要因を組み合わせて作成した前提における目標達成状況です。実績達成率における最大値-最小値の差が大きい程、選んだ説明変数にも意味があります。例えば、前提1は3つの要因に全て該当する場合です。この前提に該当するサンプル数は45、この45サンプルのうち、目標対象に該当するサンプルは32、実績達成率は71.1%。平均実績達成率30.2%との差は40.9ポイントです。このように、当表は 「これこれしかじかの要因の組みわ合せ(前提)を満たせば、目標達成率は●●%が相当。平均実績達成率との差(前提の効果=共起要因の組み合せ効果)は▲▲ポイント」 という情報を示しており、かつ、対象の目標管理がしやすいように、段階式に整理整頓したチャートです。
効果はポイント(pt)で示されますが、ビジネスの実践で役立つ、もっとリアルな単位に換算することもできます。目標対象に、それが可能となる項目を設定するだけのことです。
例えば、目標対象に売上金額(万円)を設定し、前提1の平均売上金額(50万円)、全体平均の売上金額(20万円)ということが分かれば、その差の30万円は40.9ポイントに相当します。1ポイントあたり 0.73万円 と簡単に換算できます。これであれば、ビジネスの実践で使える情報になるでしょう。
ご利用頂いたクライアントの声
当分析をご利用頂いた多くの皆さまから、『通常のクロス表では見えない、意外だけど、納得感のある着眼点が分かった』との声を頂いております。
下記は、公益財団法人日本生産性本部様と共同で行った「静岡県内の福祉施設職員の動向調査、退職者アンケート分析」に係る、当本部の人事コンサルタント様のコメントです。本報告書 p68ー69 の抜粋です。詳細は公表されている次のURLをご参照下さい。http://shizukyousai.or.jp/disclosure/report/
お問い合わせ先
このたびは当資料をご覧頂き、ありがとうございました。
当分析で解決できるテーマは、 「対象らしさ(対象形成の手がかり)」と、その「効果」 です。意外かもしれませんが、対象らしさを反映する共起要因は、必ずしもその対象において割合が高い項目とは限らないことが示されています。
『意味は%の水準にではなく、差異(ポイント)に宿る』からです。
これは、見方の転換が気づきやビジネスチャンスにつながることを示唆する、興味深い知見です。当分析は、この知見を主観を排除した統計学の観点でひと目で分かるようにします。
微力ではありますが、皆さまのチャンス発掘にお役に立てれば幸いです。
(※) CHANCE=CHANGE-T G:立場、前提 T:通常の見方内容に関するお問い合わせは下記までお願いします。
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