【実例付き】クロス集計によるアンケート分析のやり方を解説

2021.02.12

 

「単純集計のアンケート分析は、やったことがあるけれど、もっとデータ分析で深く考察してみたい!」と思っていませんか?しかし、アンケート項目の多いデータをクロス集計で分析するには、正しいやり方を知っていなければはじめは難しいと感じるかもしれません。

クロス集計によるアンケート分析ができるようになれば、回答者の年齢や性別などから興味関心の強さや改善点などがわかるようになります。今回は、はじめてクロス集計でアンケート分析される方に、クロス集計の特徴や具体的な集計手順を実例付きでわかりやすく解説していきます。

【アンケート分析の基本】クロス集計とは?

まずは、アンケート分析をする前に、クロス集計とはいったいどのような集計方法なのかについてご説明します。クロス集計とは、単純集計結果に分析視点を導入し、データを分割した場合の集計方法をいいます。

クロス集計のポイントは、どのような視点を導入すれば、目的とする適切な結果を得られるかということです。一般的に件数や%、平均値の高低が基準となって設定されるケースが多いですが、目標対象とその比較対象からなる明確な「比較対照」を分析視点に設定しないと、集計結果の意味をミスリードする可能性があるため注意が必要です。

クロス集計では、情報の全体像を網羅的に把握できると同時に、アンケート結果に隠された細部の情報を拾い上げることができます。

単純集計との違い

一方で、単純集計とは、設定質問に関するストレートな集計方法をいいます。最も簡単な集計方法で、だれでも簡単に実施できますが、特段の条件を設定していないため、クロス集計のように深く考察していきたい場合に、おすすめできません。

クロス集計を利用するメリット

次に、クロス集計には、どのようなメリットがあるのかについてご説明します。

分析初心者でも簡単に実施できる

アンケート分析において、クロス集計の最大のメリットは、分析初心者でも正しいやり方さえ知っていれば、簡単に実施できることです。そのため、項目の作り方や分析の仕方を何度か学べば、その日からアンケート分析ができるようになります。

年齢別や性別での傾向を把握できる

クロス集計は、単純集計よりも緻密にアンケート分析したい方におすすめです。クロス集計なら、複数の設問からクロス集計するため、年齢別や性別などの要素から大局的な傾向を把握できるメリットがあります。

複数の視点や知見が得られる

クロス集計は、クロスさせる項目を変えるだけで、複数の視点や新たな知見を簡単に得られます。集計した情報は、棒グラフや円グラフ、折れ線グラフで視覚化することもできるため、項目の組み合わせ方を変えれば、興味深い集計結果を多くの人と簡単に共有できるでしょう。

【実例】クロス集計によるアンケート分析のやり方

クロス集計のやり方を実例付きでご説明しますので、自社用に質問項目を変えて一緒にアンケート分析をしてみましょう。

調査結果をクロス集計する

まずは、質問と回答をまとめていきます。下記は、当該商品に対する評価 (自由回答形式による満足点や不満点)を、購入意向別にクロス集計したものです。こちらのクロス集計の目的は、「とても購入したい層」、「まあ購入したい層」、「どちらとも言えない層」、「購入したくない層」の各層の特徴を深読みして、その本音を探り出すことです。

クロス集計表からアンケート分析をする

下記は、「とても購入したい」層の回答状況を示したのがピンクのラインで、回答者全体の回答状況を示したのが紺色のラインです。具体的には、下記ピンクの折れ線グラフで上位に入る 「種類が少ない」、「効果がある」、「値段が高い」、「効果がない、効き目が感じられない」、「香り、ニオイがきつい」 といった項目に着目されるのでないでしょうか。

確かにこれらの項目の出現率が高いことは事実ですが、これらが 「とても購入したい」層の固有の特徴かどうかは、見た目のピンクラインだけを見ていても分りません。これが分かるようにするには、ピンクラインと紺色ラインのギャップの意味(有意差) も考慮する必要があるでしょう。

その意味を明らかにするために、共起性ランキングチャートを使用します。

共起性ランキングチャートには、当該層(とても購入したい層)の本音が要約されています。

下記は、当該商品に対する評価を購入意向別にクロス集計し、その特徴をランキングにしたものです。

例えば 「とても購入したい」層では、特徴のベスト5までに 「肌にあっている」(1位)、「効果がある」(3位)といった満足項目が2つ該当しています。

一方、不満点としては 「種類が少ない」(2位)、「香りの種類が少ない」(5位)と、種類の少なさに関するものが目立ちます。逆説的に解釈すれば、こうした 「種類の少なさ」 を指摘する回答者は、購入意向がとても強い有望層と考えられます。

実は、「とても購入したい」層の本音がここに凝縮されています。「当該商品は肌に合っており、効果があるので気に入っている。前向きな意見を言うなら、商品ラインアップや香りの種類をもっと増やして欲しい。持続力も高めて欲しい」という本音が窺えます。

クロス集計によるアンケート分析時の注意点

クロス集計でアンケート分析するにあたって、いくつか注意点があります。具体的な注意点は次のとおりです。

集計数が少ないと正確な分析ができない

アンケートの回答数が100件を下回る場合、クロス集計表の値が1桁になってしまうことがあります。これでは、本当に大局的な傾向があるのか、具体的に判断できません。そのため、クロス集計をするには一定の回答数が必要となります。

シンプルにクロス集計表を作成する

クロスさせる項目が多いと、どうしてもアンケート分析の結果が複雑になってしまいがちです。そのため、できる限りシンプルにクロス集計表を作成しましょう。シンプルなクロス集計表は、正確でわかりやすい分析データ作りに非常に役立ちます。

【まとめ】必要項目を厳選し、クロス集計することが成功のポイント

クロス集計表を作成する場合は、必要項目を厳選してください。分析する必要項目が多ければ、アンケート分析の結果が複雑化してしまうからです。もし、調査項目の多いアンケートを分析し、自社のビジネスの成長につなげていきたいということであれば、株式会社 データムにご相談ください。

当社は、クロス集計表から成果につながる情報を発見し、御社に新たな気づきをお伝えできます。まずは、お問い合わせからご相談ください。