アンケート集計・分析事例

2021.10.07

 

詳細を次頁以降で説明します。

【アンケート調査の概要】

1.調査の目的

フィットネスクラブにおける有望会員 (長期にわたり継続利用している会員) の特徴を 把握し、会員の定着率アップに役立つ有力な手がかりを可視化することが目的です。

2.調査方法

インターネット調査 (自主調査)

3.調査項目

・ 継続利用期間
・ 利用する際に重視する内容
・ 普段よく利用するサービスや施設
・ 属性 (性別、年齢)

4.有効回収数 1000サンプル

【当事例の結論】

当事例のデータを集計分析した結果、フィットネスクラブにおける有望会員 (2年以上継続利用してい る会員) の主な特徴として次のことが判りました。

  • 重視項目は、「立地の便の良さ」、「口コミや評判のよさ」
  • 普段よく利用するサービスや施設は次のとおりです。
    「シャワー、ジャグジー等」
    「サウナ・岩盤浴」
    「室内プール

「立地の便の良さ」の影響力が最も大きい結果となりました。それに次ぐのは、「シャワー、ジャグジー 等」、「サウナ・岩盤浴」です。どちらかというと、フィットネスクラブ本来の機能より、2次的機能の方が 影響力が強いというのは興味深い結果です。

一方、2年未満でやめてしまう会員の特徴としては次のことが判りました。

  • 重視項目は、「特典の魅力」、「スタジオの充実」、「施設の利用しやすさ」、「広告活動の良さ」
  • 普段よく利用するサービスや施設としては、「トレーニングジム」

特典に惹かれて入会した人は辞めるのも早い。また、辛さが伴うサービスの利用が多い場合、 どうしても挫折しやすいことが伺えます。

【主なアンケート集計・分析結果】

その1:クロス集計結果 (通常のアウトプット情報)

継続利用状況別にみた重視内容、および普段よく利用するサービスや施設を示したのが下記のクロス表です。 アンケート調査では、通常下記のような集計表が出力されます。ここから読み取れる特徴は次のとおりです。

単純集計結果(全体行)におけるトップは「トレーニングジム」(76.1%)であり、さらに、「2年以上」の継続利用層においても 2番目に高い項目です。一見すると、調査目的の対象である「2年以上の継続利用」 層においても、 「トレーニングジム」 は 重要項目と思われます。

【主なアンケート集計・分析結果】

その2: 2群比較クロス集計&検定 (当分析で可視化された情報)

前頁で 「トレーニングジム」 は、2年以上継続利用層における重要項目に見えると述べました。しかし統計的検定の結果、 今回の調査目的と照らした場合、「トレーニングジム」 は目的と逆行するリスク要因であることが判りました。 意外ではありますが、重要項目が目標とする対象を決定づける要因とは限らないことを示しています。

このように、何の変哲もないクロス集計結果に潜むリスク(あるいはチャンス)を可視化するのに役立つのが下記の表です。

【主なアンケート集計・分析結果】

その3: 2群対比&検定、折れ線グラフ (当分析で可視化された情報)

前頁の「2年以上」と「2年未満」の2群を明確に対比し、「2年以上」の層の出現率が高い順に並び替えたのが,下記の折れ線 グラフです。【*】等がついている項目は統計的検定にもとづき、2群間で有意な差が見られる項目です。

目的とする「2年以上」の層の傾向を把握しようとした場合、一般的にこの層の出現率が高い項目に着目されると思います。 具体的には、「シャワー、ジャグジー等」、「トレーニングジム」、「立地の便」といった項目が重要そうに見えます。

しかし、上から2番目の 「トレーニングジム」 は 「2年以上」 と 「2年未満」 で出現率が逆転しており、かつ、その差も有意です。 もし、出現率の高さから当該項目を重要と判断して選択した場合、目的と逆行しかねない大きなリスク要因です(リスク要因 タイプ1)。

『選択には常に2種類のリスクが伴う』 と言われます。選択の問題が難しいゆえんですが、当グラフは目的に対して順当に効く 選択や、選択に関わる2種類のリスクを可視化したグラフです。次頁で、リスク要因(タイプ2)について説明します。

【主なアンケート集計・分析結果】

【主なアンケート集計・分析結果】

【主なアンケート集計・分析結果】

その5:ヒットプロセス分析 (続き)

下記の図は前頁の赤太枠内に示した結果をグラフにしたものです。選択した条件変数の組み合わせで 構成される前提における、平均的な目標達成状況を示しています。“結果が違うのは前提が違うから” という発想のもと、選択した前提条件が適切なら、目標達成率を着実に高めることができる有力な予測 モデルを構築できます。前提の効果(各前提における目標達成率-平均達成率)も一目瞭然です。

【主なアンケート集計・分析結果】

まとめ

ビジネスで役立つ情報=目標と連動する項目を組み合わせた 「効く」 仕組み

当フィットネスクラブ事例の場合、目標に相当するのは 「2年以上の継続利用層」 です。

目標への手がかりとして選択すべき項目は、その目標と連動する項目(相関あるいは因果関係にある 「効く」 項目=要因)です。それは必ずしも目標とする層において件数や%が高いだけでは十分でなく、 目標と順行する有意差も必要であることを示しました。

アンケート等の集計結果を見る場合、見た目の数値 (件数の多寡や出現率、平均値の高低など、状態的 特徴を示すデータ)に関心が向きがちですが、そこには罠が潜んでいる場合もあり、注意が必要です。

『意味は差異に宿る』 と言われるように、ビジネスで役立つ手がかりは、「確かな違い」 をもたらす動態的 特徴の中にひっそりと潜んでいます。そのため一見しただけでは分かりません。見えている前提を表裏に 分け、それぞれに対応する状態の差に意味ある違いがあるかどうかを検証してはじめて、分かります。

ところでこのリスク、マイナス面ばかりではないようです。

“危機” と言うように、「チャンスは、ピンチのふりしてやってくる」 ものなのかもしれません。

いち早くこれに気づくことができれば、チャンス到来ということでしょうか・・・。

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